東方水晶宮 〜 Crystallized Mythology. >> バックストーリー

博麗神社。幻想郷の東の果てに建つ鄙びた神社である。
決して懐具合が良いとは言えないこの神社に、森の魔法使いからある知らせが舞い込んできた。

  霊夢 「それが本当ならびっくりだけどねぇ」

  魔理沙 「本当だとも、私が嘘を吐くはずないじゃないか」

「空から宝石が降ってくる」
そんな御伽話にでもありそうな出来事が、すぐ目の前で起きていると言うのであった。
何でも魔法使い――霧雨魔理沙が言うには、空を飛んでいた所で頭に当たる物があって、それを確認してみれば宝石だったとか。

  霊夢 「そうは言っても、私の方では特に何も……あ、待てよ」

  魔理沙 「どうした?」

言われてよく見てみれば成程、石造りの参道の端には砕けた光る破片が散見される。
どうやら落ち葉を掃く際に、気付かずに除けてしまっていたらしい。
特に意識こそしていなかったが、確かにその破片の輝きは明らかに普通の石のそれとは異なるものであった。しかし、

  魔理沙 「あぁ、見事に粉々だな」

  霊夢 「地面に落ちた時の衝撃で割れた、って考えるなら、もしかすると本当に空から降ってきたのかも」

  魔理沙 「だから本当だって」

  早苗 「あら、おかしいですわね。まだ貴方がここにいるなんて」

他愛もないやりとり。そこに闖入したのは、最近新しく山に来た人間、東風谷早苗であった。

  霊夢 「珍しい顔ね。何か用?」

  早苗 「いえ、空から宝石が降ってきたと天狗が騒いでいたものですから。空から水以外の物が降ってくれば、それは『異変』でしょう?」

これが宝石かどうかは怪しい所ですが、と言いながら早苗は一粒の透明な石を見せた。
神社に落ちていた無残な破片とは違いきらきらと輝いているその石は、彼女には如何にも価値のありそうなものに見えたようだ。

  魔理沙 「な、言っただろ?」

  霊夢 「そうねぇ……」

無傷の物を手に入れられれば、ともすれば家計の足しになるかもしれない。
そんな邪な想いを抱いた博麗霊夢――若干困窮しつつある博麗神社の巫女は、異変の解決がてら宝石の出所を探ることにしたのである。



――その石が纏う力に気付いた者は、まだごく僅かであった。
それは纏う物があまりにも微弱であり、また一見して無意味に見えたからかもしれない。
しかしその本質は力そのものよりも、それから生じる、時として実体そのものよりも確かな幻影にあったのである。
そう、夜明けはすぐそこまで迫っていたのだ。
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